プロファイルパラメータを自動的に変更する方法

本記事ではプロファイルパラメータを自動的に変更する方法について解説していきます。

目次

プロファイルパラメータとは

プロファイルパラメータとは、SAPシステム全体の動作を管理する設定値のことで、SAP Basisが設定・管理します。
プロファイルパラメータの設定はアプリで言うカスタマイズに相当し、SAP Basisがシステムのパフォーマンスをチューニングする方法の一つになります。

デフォルトプロファイル vs インスタンスプロファイル

プロファイルにはシステム全体に設定を反映させるデフォルトプロファイルインスタンス単体に設定を反映させるインスタンスプロファイルの2種類があり、どちらのプロファイルにプロファイルパラメータを設定するかでシステム全体、インスタンス単体に反映させるのか定義することができます。

静的パラメータ vs 動的パラメータ

また、プロファイルパラメータにはSAPシステムを再起動しないと反映されない静的パラメータ設定変更と同時に反映される動的パラメータの2種類があります。
トランザクションコード:RZ11でプロファイルパラメータを指定し、動的パラメータが「はい」になっているかどうかで動的パラメータかどうか確認することができます。

プロファイルパラメータの変更方法

プロファイルパラメータを変更する方法は全部で3種類あります。
今回この記事で特にご紹介したいのは【その3】 汎用モジュール:TH_CHANGE_PARAMETERで変更する方法です。

それではプロファイルパラメータを変更する方法について見ていきましょう。

【その1】トランザクションコード:RZ10から変更する

プロファイルパラメータを変更する方法の一つ目はトランザクションコード:RZ10から変更する方法です。
その亜種として、OS上のプロファイルを直接編集する方法もありますが、こちらの方法はSAPでは非推奨です。
トランザクションコード:RZ10で変更した場合、変更した時点ではその内容が反映されず、必ずSAPシステムを再起動させてパラメータを反映させる必要があります。

【その2】トランザクションコード:RZ11から変更する

プロファイルパラメータを変更する方法の二つ目はトランザクションコード:RZ11から変更する方法です。
このトランザクションコードは動的パラメータのみ変更可能であり、変更と同時にパラメータの内容が反映されます。

【その3】汎用モジュール:TH_CHANGE_PARAMETERから変更する

プロファイルパラメータを変更する方法の三つ目は汎用モジュール:TH_CHANGE_PARAMETERから変更する方法です。
この汎用モジュールに引数としてプロファイルパラメータ(動的パラメータのみ)と設定値を与えることで、実行と同時にパラメータの内容を反映させることができます。

詳細については下記のSAPのドキュメントを参照して下さい。
https://help.sap.com/docs/SUPPORT_CONTENT/si/3362959306.html

プロファイルパラメータを自動的に変更する方法と効果

前章ではプロファイルパラメータを変更する方法についてお話しました。
前章でご説明した【その3】汎用モジュール:TH_CHANGE_PARAMETERから変更する方法を駆使すれば何だか自動的に変更できそうですが、これだけでは自動化はできません。
本章ではそこから一歩進んでプロファイルパラメータを自動的に変更する方法とそのメリットについて解説していきます。

SAPジョブから汎用モジュールを実行できない為、選択画面に変更対象のプロファイルパラメータと設定値を設け、それらを引数に汎用モジュール:TH_CHANGE_PARAMETERを呼び出す簡単なABAPプログラムを作成する必要があります。
そうすることで、変更したいプロファイルパラメータと設定値を指定したバリアントを条件に、SAPジョブで指定した時間に自動的にプロファイルパラメータの設定値を切り替えることが可能になります。

日中(オンライン処理中心)と夜間(バッチ処理中心)では実行するユーザや流れる処理が異なるように、その時間帯に即したパラメータでSAPシステムを動作させたいというニーズはプロジェクトでは往々にしてあります。
ですが、本番稼働していると平日は再起動できない、24時間365日稼働で再起動する時間が確保できないなどシステム運用上の制約でパラメータを変更する時間が確保できない場合に今回ご紹介した方法は非常に有効となります。

SAP Basisでもこの程度のプログラムであれば簡単に作成可能ですので、是非プロジェクトで実践してみて下さい。

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