SAP Concurとは!? 機能の特徴・電子帳簿保存法対応・連携サービスを徹底解説!

働き方改革やコロナウイルスの影響によって、ビジネスパーソンを取り巻く環境は大きく変化しています。
会社にいなくても、リモート環境から経費の申請や精算が可能になるSAP Concur(コンカー)について詳しく解説します。

目次

SAP Concurとは

SAP Concurとは、SAP社からリリースされている、経費精算管理に特化したクラウドサービスです。
手作業で行っていた領収書や帳簿の入力作業を、クラウドシステムによって一元管理することで、経費精算フローを可視化し、企業の経費削減と業務効率化に貢献します。

【経費精算】Concur Expense

Concur Expenseは、経費精算を自動化し、経費管理のガバナンス強化を実現するクラウドシステムです。
法人カード・モバイル・交通系ICカード・地図情報等のさまざまなサービスの利用履歴データを取り込むことができるため、現場社員にとっては、紙の領収書の保管や手入力の手間が省けます。
また、企業固有の経費規定を設定することが可能で、規定外の申請は自動的に不可となるため、経理担当にとっては差し戻しの手間が減ります。
Concur Expenseは、不正が起こりやすい項目を重点チェックすることができるため、不正を防ぎ企業全体のガバナンス強化にも寄与します。

【支払管理】Concur Invoice

Concur Invoiceは、紙媒体の領収書や請求書の受取・入力・承認・支払いを全て電子化できる請求書管理クラウドシステムです。
請求書や領収書を電子化することで、ペーパーレスや手入力の削減を実現し、請求書と申請書の突合作業を削減します。

また、社内規定や経費規定による規定チェックのロジックを設定することで、自動チェックが可能です。
Concur Expenseを使って、データ化された支払い情報を活用すれば、経費全体の分析ができます。
カスタマイズできるダッシュボード表示によって、必要な分析データを抽出し経営状況の確認や戦略の分析が可能です。

【出張管理】Concur Travel

Concur Travelは、レンタカーや航空券、オンライン予約サイトと連携し、出張の手配や管理を一括で行うことができる出張管理システムです。
包括契約された企業契約運賃を最優先して表示するため、適切な価格での予約を促進し出張費の削減に役立ちます。
経費の適正化を図るとともに、ガバナンスの強化が可能です。
モバイル端末から出張スケジュールの管理が可能で、航空機の遅延や搭乗口変更の情報をリアルタイムで確認できます。
また、滞在したホテルや利用したレンタカー会社から送信される費用データを利用して、そのまま経費精算が可能です。

【分析機能】Concur Business Intelligence

Concur Business Intelligenceは、経費データの可視化とデータ共有によって、高度な経費分析が可能です。
経費の無駄を省き、コンプライアンスの強化をサポートします。
会計システムだけでは経費データの抽出が難しく、経費レポートの作成に時間が必要です。
Concur Business Intelligenceでは、適切な経費データの抽出が可能で、レポート作成にかかる手間を大幅に削減します。
また、会食同席者や経費項目の重複を検知することで適切な経費分析を実現し、経費マネジメントをより高度化します。

電子帳簿保存法改正の対応に活用できるSAP Concur

電子帳簿保存法が改正され、PDFファイルとして受領した請求書を紙に印刷して保存することができなくなりました。
電子帳簿保存法の定義する電磁的記録には、メール添付によるファイルの他に、ホームページからダウンロードしたファイルや、クレジット・交通系ICカード・スマホアプリ決済の明細などがあります。
それらのファイルの保存方法には、以下のような制約が設けられています。

  • 発行側によりタイムスタンプを付与後に受領し保存する
  • 受領後にタイムスタンプを付与して保存する
  • 訂正削除履歴を残す、もしくは訂正削除不可で保存する
  • 訂正削除の防止に関する規定を備え付ける

電子取引データの対応(Concur Expense)

Concur Expenseでは、キャッシュレス決済事業者から発行されるデジタル明細の、日付・金額・支払先を訂正削除不可の状態で受領し、保存が可能です。
電子帳簿保存法の保存要件では、訂正削除不可か、もしくは訂正削除の履歴が残るシステムでの保存が求められており、Concur Expenseであれば保存要件を満たすことが可能です。
現金決済や、システム連携されていないキャッシュレス事業者での決済では、紙の領収書を受領し電子化しますが、この場合は日付・金額・支払先を手入力する必要があります。

Concur Expenseが対応している取引データ

Concur Expenseでは、以下のキャッシュレス決済やデジタル明細に対応しています。

  • コーポレートカード
    会社決済及び個人決済のどちらにも対応しており、支払いの取引ごとのデジタル明細が連携されます。
    各種アプリの決済手段として設定すれば、アプリ決済の明細も連携されます。
    ただし、個人名義のクレジットカードは対象外です。
  • 交通系ICカード
    ICカードリーダー型と事業者連携型がありますが、いずれの場合でも個人が所有するICカードのデータを利用します。
    近距離の鉄道やバスの利用では、利用履歴がそのまま利用可能となります。
    ただし、交通費ではなく物品の購入に交通系ICカードを利用した場合は、ICカードリーダー型と事業者連携型で対応が異なります。
  • QRコード決済
    個人所有のアカウントを利用すれば、PayPayとの連携も可能です。
    個人所有のアカウントで購入した履歴が全て共有されるわけではなく、Concur Expenseに連携する購入履歴を選択できます。
  • タクシーアプリ
    JapanTaxi・GO・S-RIDEに対応しており、領収書として利用できる明細が連携されます。
    また、コーポレートカードで支払い設定をすれば、そちらでもデジタル明細データの連携が可能です。

電子取引データの対応(Concur Invoice)

Concur Invoiceでは、株式会社インフォマートが提供するBtoBプラットフォーム請求書に連携しています。
請求書の発行・受領の双方を利用することで、受領側に対し請求書の日付・金額・支払先のほかに請求内容の明細がデータ連携されます。
請求書はPDFファイル形式にて連携され、電子データの保存対応が可能です。

スキャナ保存の対応(SAP Concur)

SAP Concurにおいて、Concur Expense及びConcur Invoiceはスキャナ保存要件を満たした製品です。
電子帳簿保存法で求められる、機能要件として以下に対応しています。

  • タイムスタンプの付与機能
  • タイムスタンプの一括検証機能
  • 検索機能
  • 読み取り情報の保存機能
  • 入力者情報の保存機能
  • バージョン管理機能
  • 帳簿との相互関連確認するための機能

SAP Concurのセキュリティ

SAP Concurは、国際基準に準拠したセキュリティ対策を行っているため、安心して利用できます。
「漏洩しない・損なわない・いつでも使える」を3大要素として掲げ、サービスを提供しています。

  • 漏洩しない
    国際基準に準拠した安全なシステムを開発している。
    第三者機関による脆弱性検査を定期的に実施している。
  • 損なわない
    データバックアップを定期的に取得し、遠隔地に保管している。
    データ損失が万が一発生しても、データの復旧が可能。
  • いつでも使える
    メンテナンスは無停止で実施するため、24時間365日利用が可能。
    メインデータセンターは被災しても2営業日以内に復旧が可能。

SAP Concurの連携サービス

SAP Concurの経費精算管理機能が外部連携することによって、飛躍的に効率が上がり、生産性が向上します。
SAP Concurの連携サービスについて紹介します。

SAP Concur × じゃらん

SAP Concurは、株式会社リクルートライフスタイルの提供する、じゃらんコーポレートサービスと連携が可能です。
じゃらんコーポレートサービスとの連携によって、出張プロセスの厳格化と、出張管理の高度化を可能にします。
じゃらんコーポレートサービスを利用した国内出張は、申請から経費精算までのプロセスが一元化されます。

SAP Concur × Sansan

SAP Concurは、企業データベースのSansanと連携することで、不正な経費利用を防止します。
Sansanの名刺データ情報をConcur Expenseの経費情報と連携することで、接待交際費の精算時に正当性を判断します。
接待交際費の同席者を、Sansanに名刺登録されているかどうか自動判別し、名刺交換実績のない同席者にはアラートを表示することも可能です。
SAP Concurの他の機能と連携して過剰接待費の不正を検出して、経費の適正化を実現します。

SAP Concur × JapanTaxi

SAP Concurでは、JapanTaxiが提供する「全国タクシー」アプリを使ったネット決済と連携しています。
全国タクシーによって配車し、ネット決済を選択すると、SAP Concurに利用明細がeレシートの形式で取り込まれます。
日本全国をカバーするJapanTaxiとの連携することで、日本企業のビジネスパーソンの生産性を向上させるとともに、移動に対するUXの向上に寄与しています。

SAP Concur導入はグランパスコンサルティングにご相談ください

経費の精算や、経費分析、経費規定の突合などを一元管理し、生産性を向上させるのがSAP Concurです。
これまで手間と時間をかけていた作業をSAP Concurで統合し一元管理することによって、ガバナンスを強化しスムーズなテレワーク環境を整備できます。
グランパスコンサルティングでは、SAP導入から運用保守まで安定したコンサルティングをご提供します。

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