移送依頼のマージ方法
大規模プロジェクトの開発フェーズではカスタマイズ、アドオン開発により大量の移送依頼が作成されます。
テストフェーズに入ると、それらの移送依頼を一斉に検証機に移送することになりますが、大量の移送依頼をどの順番で移送するのか頭を悩ませることがあります。
本記事では、大規模プロジェクトで大量の移送依頼を移送する場合に有効な移送依頼のマージについて解説していきます。
移送依頼をマージするメリット
なぜ移送依頼をマージする必要があるのでしょうか?
ここからは移送依頼をマージする2つのメリットについて解説します。
①移送依頼の依存関係を考慮する必要が無くなる
移送依頼をマージする1つ目のメリットは、移送依頼の依存関係を考慮する必要が無くなることです。
ディクショナリ(テーブル、データエレメントなど)の移送依頼とそれらを参照したプログラムの移送依頼がある場合、後者を先に移送してしまうと、プログラムが参照するディクショナリが移送先に存在しないため、移送エラーが発生します。
このような単純な例であれば、移送依頼の依存関係を把握し移送順番を考慮することができますが、移送依頼が100個を超えてくると、どれとどれに依存関係があるのか確認することは不可能でしょう。
この問題を解決するために、1つの移送依頼の中にマージすることでオブジェクト間の依存関係を無視することができます。
②移送依頼の前後関係を考慮する必要が無くなる
移送依頼をマージする2つ目のメリットは、移送依頼の前後関係を考慮する必要が無くなることです。
あるオブジェクトを改修し、移送依頼Aをリリースします(状態①)
その後、そのオブジェクトを追加改修し、移送依頼Bをリリースします(状態②)
同一オブジェクトに対して、2つの移送依頼がある場合、移送依頼には前後関係が発生します。
移送依頼B → 移送依頼Aの順番で移送すると、最終的に移送先では状態①のオブジェクトになり、先祖返りが発生します。
このような単純な例であれば、移送依頼の前後関係を把握し移送順番を考慮することができますが、移送依頼が100個を超えてくると、どれとどれに前後関係があるのか確認することは不可能でしょう。
この問題を解決するために、1つの移送依頼の中にマージすることでオブジェクト間の前後関係を無視することができます。
移送依頼のマージ方法
ここからは、具体的に移送依頼をマージする2つの方法について解説していきます。
移送依頼をマージするときに注意することはクライアント依存とクライアント非依存の移送依頼をマージしないことです。
移送依頼をマージするときはクライアント依存同士、クライアント非依存同士をマージするようにしてください。
①2つの移送依頼をマージする方法(トランザクションコード:SE01)
2つの移送依頼をマージする場合、トランザクションコード:SE01を実行します。
<2つの移送依頼をマージする手順>
1. トランザクションコード:SE01を実行
2. タブ:移送から「照会」ボタンを押下
3. マージ元の移送依頼を選択
4. メニュー:ユーティリティ → 「再編成」 → 「依頼のマージ」を選択
5. 上の移送にマージ元の移送依頼番号を、下の移送にマージ先の移送依頼番号を指定し、実行ボタンを押下
②複数の移送依頼をマージする方法(トランザクションコード:SE03)
複数の移送依頼をマージする場合、トランザクションコード:SE03を実行します。
<複数の移送依頼をマージする手順>
1. トランザクションコード:SE03を実行
2. 「オブジェクト一覧のマージ」ボタンを押下
3. 依頼/タスクにマージ対象の移送依頼番号を入力し、実行ボタンを押下