ジョブログをデータベースに移動する方法
運用保守でジョブログに記載されたエラーを確認する定常業務はありませんか?
何十、何百あるジョブをトランザクションコード:SM37でジョブを1つずつ開いてエラーが無いか確認するのは工数が非常にかかりますし、煩雑でミスも起きやすくなります。
本記事では、SAP Note 2587028 – Move job logs to the database に記載されているジョブログをデータベースに移動する方法について解説していきます。
なぜジョブログをデータベースに移動するのか
なぜジョブログをデータベースに移動させる必要があるのでしょうか?
それはジョブログがファイルシステムに格納されるため、ジョブログの中身を一括で確認することができないからです。
そのため、トランザクションコード:SM37でジョブを選択し、1つずつジョブログの中身を確認することになります。
これがデータベースに移動すると、トランザクションコード:SE16でメッセージの中身を検索することが可能になります。
下記の記事では、SAP Basisがよく使うトランザクションコードの一覧を解説していますので、合わせてご確認ください。
ジョブログをデータベースに格納する方法
ジョブログをデータベースに移動する方法について詳しく解説していきます。
詳細についてはSAP Note 2587028 – Move job logs to the database をご確認ください。
ジョブログをデータベースに移動する方法は、
トランザクションコード:SE38からプログラム:BTC_MOVE_JOBLOGS_TO_DBを実行します。
ジョブ再編成(プログラム:RSBTCDEL2)で不要なジョブを削除した後に上記処理を実行することが推奨されています。
また、この方法を実装する上での注意点は下記の通りです。
- ①SAP_BASISが750以上のバージョンしか実装できない
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SAP_BASISが750以上は比較的高いバージョンとなるため、S/4HANA環境以外は条件を満たさない可能性があります。
- ②ファイルシステムにあるジョブログがデータベースに格納されるため、データベースの容量が増大する
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ジョブログが大量にある場合、この方法を実装するとデータベースの容量が一気に増大します。
検証環境で本処理を実行し、どれくらいのジョブログでどれくらいデータベースの容量が増えるのか確認し、本機能を実装するようにしてください。