使用先一覧が機能しない!?
トランザクションコード:SE38で使用先一覧を確認したのに、使用先一覧が機能しないってことはありませんか?
本記事では、SAP Note 18023 – Jobs EU_INIT, EU_REORG, EU_PUT に記載されている使用先一覧が機能しない場合の対応方法について解説していきます。
使用先一覧とは
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使用先一覧とは、トランザクションコード:SE11やSE38などで該当オブジェクトが使用されている箇所を一覧化したもので、改修をする際にどこで使用されているのか影響範囲や改修範囲を調査するときに使用します。
下記の記事では、SAP Basisがよく使うトランザクションコードの一覧を解説していますので、合わせてご確認ください。
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使用先一覧が機能しない場合の対応方法
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なぜトランザクションコード:SE11やSE38の使用先一覧が機能しないのでしょうか?
それは使用先一覧の索引が最新化されていないからです。
使用先一覧の索引はトランザクションコード:SE80を最初に実行したユーザのバックグラウンドジョブ(後述するEU始まりの3つのジョブ)により索引が作成されます。
上記の仕組みにより、索引作成ジョブが毎日実行されますが、実行ユーザが削除された、もしくは、必要な権限が足りないため、使用先一覧の索引が正常に作成されない場合があります。
その場合はトランザクションコード:SE38からプログラム:SAPRSEUJを実行してください。
上記プログラムを実行すると、索引作成ジョブが自動的にバックグラウンドジョブとしてスケジュールされます。
詳細についてはSAP Note 18023 – Jobs EU_INIT, EU_REORG, EU_PUT をご確認ください。
①EU_INIT
バックグラウンドジョブ:EU_INITは、プログラム:SAPRSEUIを起動し、すべてのカスタマ定義オブジェクトに対して、索引を完全に再構築します。
②EU_REORG
索引はABAPワークベンチにより自動的に更新されます。
これらの索引更新作業をできる限り減らすため、変更をログに記録し、バックグラウンドジョブ:EU_REORGが定期的に更新する仕組みになっています。
③EU_PUT
バックグラウンドジョブ:EU_PUTは、プログラム:SAPRSEUTを起動し、カスタマ定義オブジェクトが移送されたかどうかチェックし、移送されたカスタマ定義オブジェクトの索引を生成、更新します。