バリアントとは!? バリアントの種類や特徴を解説
バリアントはSAPジョブと密接に関係するトピックとなりますので、アプリケーション担当のみならず、SAP Basis担当もバリアントについてきちんと理解しておく必要があります。
本記事では、バリアントとは何なのか、バリアントの種類や特徴について解説していきます。
目次
バリアントとは!?
バリアントとは、プログラムの実行条件を設定した値を管理するオブジェクトのことです。
バリアントを指定してSAPジョブを実行することで、その実行条件に従ってプログラムを実行することができます。
また、バリアントを会社ごとやプラントごとに作成することで、会社・プラント単位で実行条件を分けることが可能です。
バリアントの種類と特徴
バリアントはシステムバリアントとアプリケーションバリアントの2種類に分類されます。
ここからはそれぞれの特徴について解説していきます。
システムバリアント
システムバリアントとは、SAP&(SAP社提供のシステムバリアント)またはCUS&(カスタマが登録したシステムバリアント)の名称で始まるバリアントのことです。
システムバリアントとアプリケーションバリアントの作成方法は全く同じで、名称規約を変えることで、それぞれのバリアントを作り分けることができるということです。
システムバリアントの主な特徴は下記の通りです。
システムバリアントについてもっと知りたい方は SAP Note 53277 – System variants, variant transport をご確認ください。
- クライアント非依存オブジェクトである
- クライアント:000に保存されるが、他のクライアントで登録/変更/照会できる
- バリアントは自動的に保護され、登録者または最終変更者しか更新できません
- プログラム全体が移送されると、システムバリアントも自動的に移送される
アプリケーションバリアント
アプリケーションバリアントとは、SAP&またはCUS&の名称で始まらないバリアントのことです。
もっと単純に言うと、アプリケーションバリアントはシステムバリアント以外のバリアントということになります。
アプリケーションバリアントの主な特徴は下記の通りです。
- クライアント依存オブジェクトである
- 各クライアントに保存され、各クライアントでしか登録/変更/照会できない
- バリアントは自動的に保護されない(バリアントを保護したい場合は個別に設定する必要あり)
- プログラム全体が移送されても、アプリケーションバリアントは自動的に移送されない